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血管の健康

動脈硬化

 心臓から送り出された血液を身体の様々な臓器に運ぶのが動脈、そして働き終えた血液を心臓に戻すのが静脈です。心臓は安静時で1分間に120~140回収縮し、そのたびに動脈も収縮と弛緩を繰り返し、血液を末梢に届けます。このポンプ機能の役割を担うために動脈の壁は厚く強靭で柔軟性と弾力性を備えています。一方、静脈の壁にかかる圧力は低く、動脈ほど厚くなく柔らかです。どちらも内膜、中膜、外膜の3層構造です。
 動脈硬化はその起こり方で3つのタイプに分類されますが、日本人に急増しているのが「アテローム性動脈硬化」で、日本人の死因の上位を占めている狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患の多くがアテローム性動脈硬化を引き金に起こっています。

LDLコレステロールを減らして炎症を抑える

 血液中には赤血球、白血球、血小板などのほか脂質として中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールなどが流れています。こうした脂質がバランスよく存在することにより血管の健康が保たれていますが、LDLコレステロールが過剰になると内膜の内皮細胞が傷つき、そこからLDLコレステロールが入り込みます。これを第一歩に動脈硬化が進行します。自覚症状がないため”サイレントキラー”とも呼ばれます。動脈硬化が進行した血管を元に戻すのは大変ですが、LDLコレステロールを減らし、炎症を抑えることで進行を抑制し、改善したいるすことは可能です。

懸念される30~40代の動脈硬化

 動脈硬化は加齢が原因の一つですが、最近では30~40代でも心筋梗塞や脳卒中を発症する人が増えています。こうした中で懸念されるのが若い女性のダイエットです。食事や運動によるダイエットは肥満を予防し動脈硬化の予防につながりますが、無理だダイエット・過剰な食事制限はストレスとなり、リバウンドや体力の低下となります。特に女性はホルモンバランスが乱れるとエストロゲンの分泌が減少し、生理不順や無月経、不妊症、肌荒れなどの皮膚トラブルが起こります。そしてエストロゲンがLDLコレステロールの上昇を抑え血管壁を保護して血管の柔軟性を保ってくれているので、エストロゲンの分泌の減少は動脈硬化を進行させることになってしまいます。因みに閉経前後にLDLコレステロールが高値になってくるのはこのためです。

ホモシステインの値も注意しましょう

 高血圧、糖尿病、高脂血症などが心筋梗塞や動脈硬化の主なリスク因子ですが、ホモシステインも独立したリスク因子であることが欧米の研究で明らかになっています。
 ホモシステインはコレステロールの血管沈着を促進します。食事に含まれるタンパク質は消化されて最小単位のアミノ酸となり腸から吸収されます。このアミノ酸の中のメチオニンは肝臓の機能を高めるアミノ酸として知られていますが、メチオニンの代謝経路に異常が生じると、血中のホモシステイン量が増加し蓄積します。
 このメチオニンの代謝を円滑に進めるためにはビタミンB6、B12、葉酸が必要です。また、血液の流れが滞らないように常に円滑にしておくことも大切です。

jastからのご提案

 血管のお手入れには様々な栄養素の組み合わせがあり、年齢やご利用中のお薬によっても変わります。LDLコレステロールや血圧、血糖値が高めになってきたかも…と思ったときからぜひお手入れを始めてみてください。身体は必ず応えてくれます。