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自律神経のはたらき

自律神経は24時間休まずはたらきます。

 脳と脊髄で構成された神経が中枢神経、中枢神経から網の目のように伸びて全身の各臓器とつながっている神経が末梢神経です。
 自律神経は末梢神経の一部で、自分の意志とは関係なくはたらきます。日中の活動が活発なときに優位にはたらくのは交感神経、夜間リラックスしているときに優位になるのが副交感神経です。車に喩えれば交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキで互いに必要なときにはたらくことで安全運転が可能になります。
 どちらか片方がはたらいているときに、もう片方は休んでいるのかというとそうではなく、環境や身体の急な変化に即対応できるように、いつも臨戦態勢でスタンバイしています。

自律神経のバランスを整える「呼吸」

 吸って、吐く、呼吸運動は横隔膜や外肋間筋を使います。これらは骨格筋に分類され、自分の意志で動かすことができる運動神経の支配を受けています。横隔膜の収縮で行う呼吸が腹式呼吸、外肋間筋の収縮で行うのが胸式呼吸です。
 自律神経はどのように呼吸に関わっているかというと、意識せずに一定のリズムで呼吸が保たれることが自律神経のコントロールによるものなのです。吸うときには交感神経が優位に、吐くときには副交感神経が優位にはたらきます。
 このように呼吸はオートマティックでありながら、自分の意志でもコントロールできるので、自律神経のバランスを整えるときに必要不可欠なアイテムです。

免疫系も自律神経によって調節されます。

 異物の侵入から身体を守ってくれる免疫細胞「白血球」中に顆粒球が60%、リンパ球が35%でバランスよく存在し、免疫力を発揮しています。もし、交感神経が優位なアクセルを踏み続けている状態が続けば、顆粒球が増加し、リンパ球の働きが低下して、ウィルスやがん細胞への抵抗力が弱まります。また、副交感神経が優位なブレーキを頻繁に踏む状態が続くと、リンパ球が増加し、免疫力のバランスが崩れてアレルギーや自己免疫疾患の一因となります。
 免疫細胞は自律神経と同様にストレスに弱く、自律神経の乱れは免疫力の低下につながるのです。