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エビデンスに基づいた健康情報

ダイエットのススメ

認知機能とBMIー新潟大学、ハーバード大学の研究報告より
2023-09-09
 BMIとは身長と体重から割り出されるいわゆる肥満指数です。
【体重÷身長×身長(m)】 
厚労省によれば、日本人の場合、25以上から肥満と判断されます。

 肥満が心配な方にちょっと嬉しい研究結果が出ています。BMIと認知症のリスクの関連を調べた日本人1万3802人が参加した新潟大学グループの研究結果をお伝えしましょう。

  参加者の平均年齢は59.0歳で、過体重~低体重を6群に分類して8年間の追跡調査を行いました。

  結果は嬉しいことに男性ではBMIが高いほど認知症リスクは低く、女性では残念ながら過体重や肥満のグループで認知症リスクが上昇しました。

これは肥満の性差が認知症リスクと関連することを示唆しています。但し、脳や心血管の疾病リスクは肥満と関連しますので、男性でも適正体重が望ましいことに変わりありません。

 では食材で認知症を遠ざけるものはあるのでしょうか?
以前よりプロセスチーズが望ましいと報告されていましたが、米国ハーバート大学研究グループの報告をお伝えしましょう。

  オリーブオイルの愛用者と殆ど利用しないグループを比較検討しています。オリーブオイルが心血管の健康や死亡リスク、認知機能に有益なことは過去の研究で伝えられています。

今回の研究では女性6万582人と男性3万1801人(平均56±8歳)を対象に28年の追跡期間で調査分析しています。結果をお伝えすれば、オリーブオイル摂取グループでは、そうでないグループに比べて今後30年間で認知症による死亡リスクが25%低いことが明らかになりました。

年齢を重ねても脳の機能を健やかに保つためには、食卓にマーガリンではなくオリーブオイルを置いたほうが良いかもしれませんね。
 
 食欲の秋には食事を愉しみながら、できれば“腹八分目”を目指し、オリーブオイルで調理した食材を味わうと一石二鳥かもしれません。