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エビデンスに基づいた健康情報

ダイエットのススメ

ウェストにくびれが/糖質控えめのカロリー制限はLDLコレステロールや血圧の改善にー米国NIHの研究報告
2021-10-16
 衣替えの季節を迎え、庭の木々が葉を落とし始め、紅葉の葉先が赤く色づくようになりました。16時間ダイエットは23日目に入り、一昨日会社で”凄い!ウェストがくびれている”と褒められ、気分上々の一日でした。同じように16時間ダイエットに挑戦している他の方々もウェストが細くなったと言っておられます。一方で、同じ一昨日、試しに朝のサプリメントを抜いてみたところ、非常に疲れを感じ、体内時計の子時計がきちんと作動していないことを実感しました。昼食はきちんと頂きましたが、帰宅後久々に無性に甘い物が食べたくなり、マロングラッセ2粒、それでも足りずにお干菓子を1個摘まみました。即時型エネルギー(糖質を必要とします)が不足していたのかもしれません。このトライアルを通して、朝きちんと栄養素を細胞に届ける重要性を感じました。

 私の実感ですが、サプリメントをご利用になっていない方はやはり完全な朝食抜きは厳しいかもしれません。その場合、胃腸と酵素の負担を軽減するスープやサラダなどがお薦めです。特にスープは身体に貯蔵しにくいアミノ酸の補給も視野に入れて、鶏ガラベースなどが望ましいと思います。

 糖質摂取をなるべく抑えてカロリーを制限することでどんな良いことがあるのでしょうか?糖質=糖尿病という図式から糖尿病予防を考える方も多いと思います。もちろんその一面もあるかと思いますが、米国NIHの研究報告では腹八分目(カロリー25%オフ)によるカロリー制限群では加齢に伴って現れる血圧やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇が抑えられ、平均で体重が7.6㎏低下した上に心臓病に繋がる炎症因子の数値が明らかに低下したそうです。糖質やカロリーを制限すると、身体のゴミ掃除を行うオートファジー機能(ノーベル医学・生理学賞を受賞なさった大隈良典先生のご研究で皆さまもご存知と思います)がしっかりと働き、老化を抑制する酵素であるサーチュインも活性化します。なんだか良いことずくめのようですね。私たちの感覚でそうしたことを実践するには「しっかりと空腹を感じてから食卓に向かうこと」なのではないでしょうか。但し、あまり無理をすると食事が”愉しむ”から”修行する”に変化するのは残念です。

 西洋料理でも日本の懐石料理でも前菜があります。副菜を前菜と考えてゆっくりと食事をする習慣をつけたいものですね。江戸時代中期の著名な医師貝原益軒が「養生訓」で”腹八分目になれば、医者の世話になることはない”と説いています。江戸時代と異なり、歩くなどの運動量も少なく、容易に飽食できる現代社会では一層腹八分目を意識したほうが良いかもしれませんね。因みにここまでの体重減少は1.4㎏でした。