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エビデンスに基づいた健康情報

栄養素と病気予防

栄養素のお話ーマグネシウム
2022-07-02
 六月末から連日の猛暑のまま、七月を迎えました。熱中症への注意喚起も日々天気予報などで伝えられていますが、電力との関連もあり家庭での電気使用は難しい選択を迫られます。

【エアコンの温度設定について】
 日本救急救命学会が6月28日に会見を開き、委員長の横堀將司 日本医科大教授はエアコンの設定温度を28℃とするのはあくまでクールビズの観点であり、必ずしもその温度にこだわる必要はないと伝えておられます。特に熱中症の48%が室内で発生し、体温調節機能が低下している高齢者が半数以上であることから「エアコンの節電は後回しに」と述べておられます。また、20~69歳の有識者300人を対象としたアンケートによれば、35.7%が熱中症を経験しておられるそうです。特に暑さにまだ身体が慣れていないここ暫くは、決して暑さを安易に考えずに十分な注意が必要でしょう。

【マグネシウムについて】 
 マグネシウムと聞くと、電池など産業用の利用が思い起こされますが、私たちの身体の中でなくてはならない必須栄養素の一つです。前回お話いたしましたように、マグネシウムの不足によって骨が脆弱になることがあります。また、
カルシウムと拮抗的に働き、筋肉の収縮に関連します。なかでも重要な点は身体の活動をスムーズに維持するために働く酵素を補助する補酵素の役割をマグネシウムが担っていることです。つまり、マグネシウムが不足すれば身体の代謝に支障が出るということですね。

 マグネシウムは他のミネラル同様多くの食材に含まれていますが、含有量が少ない食材を利用したり、食生活がアンバランスだったりしますと不足する可能性もあります。
不足した場合、不整脈が現れやすくなり、慢性的な不足では虚血性心疾患が発症する可能性が指摘されていますまたマグネシウムの継続的な不足は動脈硬化や糖尿病などの発症に関連することが示唆されていることを併せてお伝えしておきます。

 マグネシウムはお豆腐や枝豆などに多く含まれていますので、これからの季節、冷ややっこや枝豆などを召し上がる機会が多くなるでしょう。その時、身体で頑張るマグネシウムのことをちょっと思い出してくださると嬉しいです。
マグネシウムは腸管で吸収されますが、ビタミンDがその吸収をサポートしますので、カルシウム同様、ビタミンDの不足にも注意しましょう。