本文へ移動

エビデンスに基づいた健康情報

栄養素と病気予防

栄養素のお話ービタミンA
2022-04-09
チェック
 今朝は冷たい雨が降り、庭の花々も心なし身体をすぼめているように見えます。世界は相変わらず平和への道筋を見出すことができず、その間にも無辜の命が失われていくことに心を傷めておられる方が多いことでしょう。

 日本も含め、新型コロナ感染症も収束の兆しが見えず、地球環境の悪化も伝えられている中で、人類はどこに向かって進んでいくのでしょう。せめて意図的におこなわれている侵攻だけでも止めることを、日本に住む私たちも含めて世界中の人々が願っていることと思います。

 前回に引き続き、ビタミンのお話をいたします。
ビタミンAと聞くと、私はニンジンや鶏・豚のレバーなどを思い浮かべます。ビタミンAは他にもホウレンソウや明日葉、意外なところでは無塩バターなどにも含まれています。ビタミンAは脂に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種で、感染の防御ラインである皮膚や粘膜、目を健やかに保つ働きをしています。そのため『抗感染症ビタミン』と呼ばれることもあります。

 但し、摂りすぎると体内に蓄積し、頭痛や皮膚の乾燥や剥落、脱毛などが報告されています。また、妊娠中の方は貧血要望のためにレバーなどを多く摂る方もおられますが、ビタミンAの過剰摂取は胎内のベビィに催奇形性が報告されていますので、充分にご注意ください。

 安心してビタミンAを摂るには、緑黄色野菜や果物に含まれ、体内でビタミンAの働きを担うβカロテンからの摂取がお薦めです。米国農務省の実験では、βカロテンは食事よりもサプリメント摂取した方が吸収率の上昇が見込めるとのことです。

 食事から摂取する場合には、マサチューセッツ病院の研究で1回に一日分の摂取量を満たすよりも、3回に分けて食事と一緒に摂る方が血中のβカロテン濃度が約3倍程度上昇するそうです。βカロテンはビタミンC、Eと一緒に摂れば、相乗効果により抗酸化作用が跳ね上がります。研究者の意見として、抗老化を視野に入れるのであれば、一日10~15㎎のβカロテンサプリメントを利用することが近道とも述べられています。もし、βカロテンをサプリメントで摂取する場合は、ボトルに「ビタミンA」と書かれている製品ではなく「βカロテン」と明記してある製品を選ぶようにしたいものです。

 これから紫外線が強くなり、日焼けが気になる季節を迎えます。ビタミンAは皮膚の保護だけでなく、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)を促す働きもありますので、重要なビタミンです。外側からの日焼け対策だけでなく、内側からビタミンA、ビタミンCとEの3点を一緒に摂取(ACEと覚えると良いそうです)し、陽射しに負けない健やかな皮膚を保ちましょう。日光で活性化するビタミンDの補給も併せれば一石二鳥、一石三鳥を目指せます。




季節やヒトの生き様が移ろう中、自然の織り成す景観は変わらない姿を見せてくれます。
日々のニュースを見ながら、一日も早く平和と自由が世界に訪れ、美しい自然の織り成すハーモニーを楽しめる日がきますようにと願わずにはいられません。

 前回はタンパク質ーアミノ酸のお話をいたしました。
私たちの身体を健やかに(できれば心も健やかに)保つための栄養素は多様にあります。なかでも欠かすことのできない栄養素にビタミン類があります。ビタミンには多種類あり、果物や野菜、肉類などにも含まれ、私たちの身体の機能を支えてくれています。ただ、どの栄養素も同じで、互いに助け合って身体のそれぞれの器官が円滑に機能するように作られていますので、「今日はレモンやサラダをたくさん食べたから安心」というわけではありません。

 ビタミンの中で最も知られているのがビタミンCです。因みにサプリメントとして売られているビタミンCに黄色の製品が多いのは、”レモンを想起するために手に取りやすいから”という販売戦略で、実際のビタミンCは白に近い色です。ビタミンCは、モルモットなど一部の動物と同じようにヒトの体内で合成できませんので、外部から摂り入れる必要がある栄養素です。ビタミンCは水溶性ですので、調理で流れてしまう可能性があり、加えて身体の中に残留できる時間が短いために、ある程度時間差で召し上がるほうが有効な働きをしてくれます。

 ビタミンCは抗酸化作用(身体のサビとり)が高く、肌への有効性には多数の研究報告が寄せられています。厚生労働省のホームページを見ますと、他にも健康に及ぼす有効な作用として
    ① がんの予防と治療
    ② 加齢黄斑変性症など
    ③ 喫煙者ではビタミンCが多く失われますので、補給による効果など
が挙げられています。

 一方、風邪の時にビタミンCを摂るとよいと言われていますが、発症後に利用してもあまり効果が無いそうです。(ただしビタミンCを日常的に利用している方は、そうでない方と比べて風邪の罹患期間が短く、症状も若干軽いとのことです。)

 コラーゲンの合成にビタミンCは必須ですので、関節に不具合のある方にも有用と考えられます。また、脳は身体の中でも高濃度のビタミンCが維持されている器官です。研究(東大医学部付属病院プレスリリース)によれば、ある遺伝子を取り除き、ビタミンC濃度が大きく低下したモデル動物では脳重量が低下していることが分かりました。ビタミンCは脳でも重要な役割を果たしているのですね。ビタミンCは細胞膜、血液脳関門(脳の関所)を通過できないのでは?との懸念をお持ちの方には、タンパク質で構成されたビタミンC用の輸送体が細胞へ出し入れを担ってくれていることもお伝えしておきます。