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エビデンスに基づいた健康情報

良質な睡眠をとるコツ

睡眠を妨げるイヤーワーム
2021-07-17
 梅雨が明けると日中は強い日差しに晒される夏が巡ってきます。夜寝苦しく感じるとき、健やかな眠りを導く方法として音楽を聴きながらという方もおられるでしょう。睡眠の質と音楽の関係を調べた研究を今回はご紹介しましょう。

 結論から先にお伝えすると「音楽を聴きながら睡眠をとることは睡眠の質を低下させる」そうです。
長い時間音楽を聴き続けていると、音楽の一部が頭の中で繰り返し流れ続けているような感覚を経験したことはありませんか?こうした感覚をイヤーワームと呼びます。イヤーワームは単調な作業を繰り返していたり、意識下のストレスにより起こりやすく、比較的単調なリズムが繰り返されることが特徴で、音楽に親しんでいるひとほど体験しやすいと言われています。音楽を頻繁に聴いている人ほど、夜間しつこく続くイヤーワームを経験する頻度が高いことが報告されています。

 平均21.2歳の若い年代が参加した研究では、ボーカルの入るオリジナル曲と演奏のみのインストゥルメンタルバージョンで調べた結果、演奏のみの音楽がよりイヤーワームを引き起こす確率が高く、睡眠の質の低下との関連が強いことが分かりました。この研究を主導した方は「殆どの人が、音楽は睡眠の質を高めると思っていますが、今回の研究ではそうではないことが分かりました」と述べています。コロナ禍の中、お籠もり生活で音楽を聴く機会が増えて、ゆったりと音楽を愉しむことで心を健やかに保とうと考えておられる方も多いと思いますが、就寝前の音楽鑑賞は避けたほうが良いようですね。日々の生活を望ましい形で送るのは案外至難の業かもしれませんが、研究者の知見を上手に取り入れながら生活をコントロールするのも上策かもしれませんね。

※コロナ関連に関して、厚生労働省のHPでコロナ11知識としてワクチンなどについても掲載されています。