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良質な睡眠をとるコツ

運動と睡眠、認知機能の維持に重要なのはどっち?【ロンドン大学研究報告】
2023-08-05
注目
 認知機能維持に重要なのは運動と睡眠のいずれでしょうか?

 もちろん両方とも大切なのですが、その2つの組み合わせを研究した英国ロンドン大学の結果が2023年8月3日に公開されましたのでお伝えしておきましょう。

 
研究グループは老化に関する諸々の研究を分析しています。
ベースラインでは認知機能が正常な50歳以上の方(50~95歳までの8958人)の身体活動(運動)と睡眠時間を、自己申告により10年間に渡り追跡調査しています。


 ベースライン時での認知機能スコア平均値では、身体活動量の多いグループが、少ないグループより良好で、睡眠時間6~8時間のグループが、それ以外のグループより良好でした

 その後の追跡調査結果では、身体活動量が多く睡眠時間が6時間未満のグループは、身体活動量が多く睡眠時間が6~8時間のグループより認知機能の低下速度が速いとのことです。

 ベースライン時で50~60代の身体活動量が多く睡眠時間が6時間未満のグループでは、身体活動量が少なく睡眠時間が6時間未満のグループと同程度の低い認知機能スコアだったそうです。因みに70代以上では有意差はありませんでした。

 つまりきちんと睡眠が確保されていなければ、高頻度に運動を行っても認知機能の低下に歯止めはかからないということです。

 この結果を受けて研究グループでは「高頻度・高強度の身体活動を行っていても、短い睡眠による急速な認知機能低下を改善するには不十分で、長期的な認知機能の維持のために睡眠習慣を考慮する必要があります」と述べておられます。

 スペインなどのシエスタ(昼休憩/主に13時~16時が目安)が今見直されているようです。酷暑のお昼に仕事を休んで、涼しくなる夜間に活動することで、環境に適応し睡眠時間が確保できる生活習慣が今後生まれてくるかもしれませんね。

 生活の中で悪意に満ちた人々のことが報道されることが間々あります。ある著書で1日3つの自分にとって良かったことを書きだすと一生は良かったことに満ち溢れると書かれていました。