良質な睡眠をとるコツ 一覧へ戻る炭水化物満載の食卓と不眠の関係ー米国コロンビア大学の研究2023-02-18注目 不眠の原因は諸説ありますが、食事と不眠の関係を調べた興味深い研究結果が米国のコロンビア大学から発表されています。 不眠は日常生活に様々な不具合を生み出してしまいます。治療法には認知行動療法や薬物療法などがありますが、薬物療法は認知機能の低下や転倒、昼間の疲労感などへの不安が払拭できません。また、改善までに時間がかかることや高額であることによって、薬物療法が最善の道とは言い難いかもしれません。 コロンビア大学の研究では不眠に対して、より安価でかつ有益な介入方法が示唆されています。これまでにも食事の内容、特に炭水化物摂取量と不眠の関係を検討した研究は行われてきましたが、一貫した結果は報告されていませんでした。 コロンビア大学研究では食事全体のグリセミックインデックス(GI)とグリセミックロード(GL)、そして諸々の炭水化物摂取と不眠の関係を調べています。 グリセミックインデックス(GI)とは、食品に含まれる炭水化物50gを摂取した時の血糖値の上昇の程度を示した数値で、グリセミックロード(GL)とは、その食品に含まれる炭水化物の量にGI値を掛けて100で割った数値です。 因みにGIですとカレーライスなどは中・低グループに入りますが、GLですと高GL食品に該当するようです。 さて、お話を戻しますが、当該研究では50歳~79歳の閉経女性7万7860人を対象に行われました。結果として精製穀物や添加食品を多く摂るグループ(GIとGLが高いグループ)での不眠が示されました。逆に果物や野菜の摂取量が多いグループでは不眠のリスクが低下していたそうです。 今後、高GI食を全粒穀物や食物繊維の多い炭水化物などに置き換えると不眠、不眠症が改善するか、不眠症の予防になるかは、あらたな研究を俟たなくてはならないでしょう。 私たちの中でも不眠を訴える方は少なくありません。こうした研究結果を踏まえて、夕食時に炭水化物系のメニューを少し見直してもよいかもしれませんね。 食後のデザートも和食で水菓子と呼ばれる果物を取り入れ(果物も糖質が多いことが知られていますが)、高カロリーのケーキやアイスクリームなどを毎日食卓に載せるのは避けたものです。勿論あまり厳格にしますと、今度はストレスとなって血糖値をあげてしまうコルチゾールが多く分泌されますので、適度に注意するのが望ましいのではないでしょうか?