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エビデンスに基づいた健康情報

不定愁訴を遠ざける日常生活の留意点

重大副作用情報(厚生労働省より)
2023-07-29
重要
 厚生労働省から2023年7月20日に発表された薬剤に関する重大副作用情報をお届けしておきましょう。

 比較的一般的に利用されているコレストロール低下薬のスタチン(商品名:リピトール、リポバス、リバロ、メバロチン、ローコール、クレストールなどなど、分類で10項目あります)が引き起こす副作用に、追加項目として出された内容です。

 スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑制し、血液中のLDLコレステロール(悪玉と呼ばれています)を低下させることで、動脈硬化によって起こる心筋梗塞や脳梗塞などを予防する薬剤です。
健診で脂質異常症と診断された方に処方され、頻度は稀ではありますが、横紋筋融解症や肝機能異常などは従来から報告されていました。

 今回、重大副作用情報として重症筋無力症が追加されました。
重症筋無力症は末梢神経と筋肉の接合部が自分の抗体によって破壊されてしまう自己免疫疾患で指定難病となっています。筋力低下や疲れやすさ、そして眼瞼下垂(瞼が垂れてします)などが目立った症状だそうです。

 スタチン系薬剤をご利用の場合で、気になることがありましたら早めに担当のドクターにご相談ください。

 また、新型コロナ感染者数が少しずつですが増加傾向にあります。
そんな中、同じ厚生労働省からゾコーバ(新型コロナ治療薬)の副作用情報にアナフィラキシーが追記されたこともお伝えしておきます。

 少し前ではありますが、同様に厚生労働省より発表されたもう一つの重大副作用情報もありますので、この機会に重ねて追記させていただきます。

 比較的安全と言われ処方されてきましたアセトアミノフェン(特にカロナールなど)に、重大な副作用として肝機能障害やリンパ節腫脹などの過敏症状が遅発的に現れること、及びヒトヘルペスウィルスの再活性化を伴うことも多く、アセトアミノフェンの投与を中止しても発熱、発疹、肝機能障害などの症状が再燃することが記載されていますので、ご不安があればお早目に担当のドクターにご相談ください。

 夏休みはご家族や友人たちと楽しい思い出を作る機会が増えますので、健やかにお過ごしいただきますよう副作用情報をお伝えいたしましたが、重篤な副作用が発現するのは極めて稀ですので、あまり過剰に反応せずにいらしてくださいね。