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エビデンスに基づいた健康情報

不定愁訴を遠ざける日常生活の留意点

老化のスピード/45歳の分岐点
2023-02-25
チェック
 私たちの日々の営みに大きな変化は無くても、時は容赦なく歩みを進めていきます。ヒトはその時の流れに老いを感じます。但し、老化のスピードには個人差が大きいようです。老化の個人差について、ニュージランドの研究が参考になるかもしれません。

 20年間追跡調査した研究結果によれば、なんと45歳を境目に老化スピードの差は大きくなるそうです。45歳時点で生物学的老化(心血管系、代謝スピード、免疫系、腎臓、歯など)が速い方では、認知機能や外見の老化スピードも速いとのことです。

 この研究では老化が速い方では1年で2.44歳、逆に遅い方では0.4歳、つまり老化が遅い方の1年が速い方の6年に当たるということです。

 この研究では脳機能についても調べています。
45歳時点で老化のスピードが速い方は、大脳皮質が薄く、海馬の堆積が小さいなど認知機能低下や神経変性疾患のリスクが高い、ご高齢者に認められるような変化が脳のMRIの画像でみられたそうです。
同様に老化ペースが速い方は、遅い方に比べてIQが有意に低下していたそうです。

 考え方にも差が現れます。
老化スピードの速い方は「年を取り物事が悪化している」「若い頃に比べて幸せでない」「あまり健康ではない」「実年齢に比べて老けている」などマイナス面ばかりが強調される考え方をなさるそうです。

 研究結果では、人間の生物学的な年齢には45歳時点で統計学的に有意な差が生じていて、老化ペースの速い方では、加齢に関係する機能が低下しているとのことです。