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エビデンスに基づいた健康情報

新型コロナウィルス感染症とワクチンについて

植物由来の新型コロナワクチンとブースター摂取、後遺症ブレインフォグについて
2022-06-10
注目重要
 新しいタイプの「植物由来ワクチン」が開発され、その論証結果が論文誌NEJMに掲載されました。有効性は78.8%とmRNAワクチンに比較すると少々数字的には劣るようですが、ワクチン接種群では重症例が認められなかったそうです。今回の研究報告では接種群が若年層のみで、高齢者や基礎疾患をお持ちの方は対象になっていませんので、その点は考慮が必要かもしれません。ただ、これまでワクチンを忌避してきた方々には少し受け入れやすくなるかもしれません。

 現在日本では3回目のブースター接種が進み、すでに4回目を受けておられる方も散見できるようになりました。オミクロン株に関してはブースター接種によって中和抗体が概ね19~27倍となり、死亡率などが大幅に減少するために、やはり新型コロナ感染症に対するブースター接種は極めて重要なのではないでしょうか? 
  
 先日NHKの「クローズアップ現代」でも伝えられていましたが、新型コロナ感染は治癒後の後遺症も問題となります。特に最近の出来事や名前を思い出せない、適切な表現ができない、集中力が途切れる、情報処理スピードが低下するなどといった、いわゆる“脳の霧-Brain Fog”はニューヨークからの報告では後遺症患者様の67%に認められたそうです。論文誌Lancetに掲載されたケンブリッジ大学の研究で、感染後6か月経過した46人(数字的には少ないのですが)を対象に認知機能などを調査した結果、全員に概ね20歳分の脳の老化が認められたとの衝撃的な内容が報告がされています。

 日本ではようやく感染者数が減少傾向となり、海外からのお客様も受け入れる体制が整ってきましたが、今こそ気を引き締めて“感染しない・させない”を心に留め、安全で活気のある社会の再構築を目指したいものですね。