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エビデンスに基づいた健康情報

ダイエットのススメ

内臓脂肪と体内炎症ーカリフォルニア大学の研究(2016年)ほか
2021-09-25
 ここ数日、日中は夏の名残の気温ですが、朝夕は秋の訪れを肌で感じることができるようになりました。
コロナ禍で体重が増え、ダイエットを考える方が多いようです。(私もその一人です) ダイエットは思いの外、強い精神力を必要とし、自分を甘やかすとすぐに元の状態に戻ってしまいそうです。逆にどうしてダイエットが必要なのかを考えますと、単純にスタイルなどの問題ではないことが分かります。朝起きた時に、充分眠ったはずなのに、何となく不調ということはありませんか?

 2016年と少々古いのですが、その答えとなるカリフォルニア大学の研究を結論だけお伝えしましょう。平均睡眠時間が7~9時間の範囲(多くても少なくても)を逸脱すると体内炎症マーカーが激増すること、また夜間に何度か覚醒しても同様の結果でした。この体内炎症の多くは、腹部や肝臓などの臓器周辺につく脂肪(内臓脂肪)の脂肪細胞から分泌される炎症物質によって引き起こされます。こうした炎症は怪我などと違い、痛みなどのダメージ信号が脳に送られませんので、自覚症状がありません。けれど、内臓脂肪が減らない限り、炎症は起こり続けて血管や細胞を傷つけ、最終的には動脈硬化などの病気を引き起こす原因となります。体内炎症は朝の何となく不調の原因の一端でもあるのです。内臓脂肪を減らす最短の道は摂取カロリーを減らし、運動するに尽きます。つまりダイエットなのです。

 ダイエットを成功させる最初の関門は自分を甘やかすことです。京都医療センターの坂根直樹先生のお話を参考にして、第一関門を突破しましょう。

  1. 食事記録やカロリー計算は面倒で続かないー最初から挑戦しない。
  2. 体重計に朝晩乗ってみるー太りやすい食べ物と痩せやすい食べ物が分かり、食材の選択ができる。
  3. 余分なお菓子を食べないーお菓子を手に取りやすい場所に置かないで、非常用・来客用などのラベルを貼っておく。
  4. 1か月に何㎏減量できたかはメモしておく。

他にも諸々ありますが、ダイエットを計画している方は睡眠のコツ(「睡眠について」をご参照いただけますと幸いです)も参考にして、ダイエット初心者の場合(私もそうです)、あまり過酷なことは避けて、できることから一緒に始めませんか?因みにカロリーを制限することで、アンチエイジングも望めるそうです。