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エビデンスに基づいた健康情報

栄養素と病気予防

栄養素のお話ーナトリウム
2022-06-11
牛が塩をなめる、塩分ナトリウムについて
 身体を健やかに維持する栄養素として欠かせない栄養素(5大栄養素)の一つがミネラルです。ミネラルは私たちの身体の中では合成できませんので、外部から摂り入れる必要があります。地球上に存在しているミネラルは100種類以上ありますが、私たちが必要としている必須ミネラルは16種類(厚生労働省ではそのうち健康を維持するために13種類を指定しています)あるそうです。

 ミネラルは直訳すれば鉱物ー岩石や金属類に含まれています。だからと言って、私たちが岩を齧ったりする必要はなく、様々な食材に含まれています。"牛が塩をなめる"お話をお聞きになったことがあると思います。牛などの草食動物は、ミネラルの一種である塩(ナトリウム)の補給が難しい場合、塩分を含む岩塩や塩の含まれた土を舐めて補給しているそうです。牛を例に挙げるまでもなく、ナトリウムは必須ミネラルで、健康の維持に欠かせません。ところが、飽食社会に生きるヒトでは、塩分の過剰摂取が度々問題となります。

 ナトリウムはカリウムと協働して身体の水分バランスを維持し、筋肉の収縮、神経伝達などの役割を担っています。持病に高血圧がある方は、ドクターから塩分を控えるようにご注意があるように、血圧にも関連しています。過剰な塩分摂取は胃がんとも関わりがあり、家庭用冷蔵庫が普及したことにより、それまで塩漬けによって保存されていた食糧が新鮮な食材に変わることで食塩摂取量が減り、胃がんの罹患率が減少したと伝えられています。(佐々木敏"栄養データはこう読む"よりーお医者さんより電気屋さん)

けれど冷蔵庫が普及している現在でも、日本人の塩分摂取量は世界的にみて高いようです。同じ出典でポテトチップスとパンを比べると、ポテトチップスは表面に塩を振ったものなので、味を感じる舌の味蕾に直接付着するため、すぐに塩を感知でき、ある程度食べると自然に手が止まります。一方の
パンは、中に均等に塩が含まれていて塩味を感じないにもかかわらず、無意識に塩を摂りこんでしまう損な塩なのです。減塩のお醤油や味噌、そして漬物などをスーパーで見かけますが、パンは案外盲点ではありませんか?

 
イギリスでは国を挙げてパンだけでなく、ソーセージやハムなどの減塩作戦を続けた結果、高血圧などが原因で発症する心筋梗塞や脳卒中の死亡率が9年間で40%も減ったそうです。
私たちが味覚を急に変えることはできなくても、味蕾が感知しない食材にも塩が含まれているといったことを意識し、例えば食卓にパンが載ったら、ハムやソーセージを控える、あるいは塩やお醤油などの調味料を減らす程度の個人レベルでの取り組みも大切なのではないでしょうか。