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エビデンスに基づいた健康情報

新型コロナウィルス感染症とワクチンについて

ワクチン接種後の反応について
2021-03-13
 光が春めき花々も咲き始め、外の空気が優しく感じられます。ところが残念なことに新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念されています。医療従事者ではすでに開始されていますワクチン接種に関して、今回は接種後のことをお伝えしておきましょう。

 接種後は15分の観察期間を設けること、また接種後の反応として①局所反応(注射部位の痛み、腫れ、紅斑、投与した腕の腋の下リンパ節の腫れなど)と全身反応(発熱、頭痛、疲労感、寒気、筋肉痛、関節痛など)が報告されています。

 ワクチン接種した方の80~89%は少なくとも1か所の局所反応が現れ、55~83%が全身性の反応を経験しています。全身反応は概ね接種後3日以内に発症し、1~2日で解消すると伝えられています。また、副反応は高齢者よりも55歳以下の若年層で多く発生し、2回目の接種後の方が強い症状が認められるそうです。

 ワクチン接種後の局所反応や全身反応に対しては、解熱剤や鎮痛剤(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症剤ータイレノールやカロナール、バッファリンなど)を利用できます。但し、副反応を予防するための利用についてはCDCは推奨していません。また、アレルギー反応予防のために、抗ヒスタミン剤を利用することも推奨していません。その理由として抗ヒスタミン剤はアナフィラキシーを予防しないことに加えて、皮膚の症状を覆い隠してしまう可能性があるため、アナフィラキシーの対処を遅らせる可能性があるためです。こうしたお薬をご利用の方は事前にかかりつけのドクターにご相談ください。

 直近の報道で日本人医療従事者の男女12人がアナフィラキシーを発症したと伝えられ、現時点で日本人のアナフィラキシー発症者は37人となっています。過剰に恐れることはありませんが、接種後の健やかさを保つためにも、日々の健康管理を心がけましょう。