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腸の健康

腸内細菌叢(ソウ)(腸内フローラ)はスゴイ!

 ヒトの腸管には100兆個以上の腸内細菌が生息し、私たち(宿主)と共生しています。消化液では分解できない食物繊維などを分解し、身体に有益な代謝産物をつくってくれるのも腸内細菌です。こうした代謝産物は腸管粘膜でエネルギー源として使われたり、腸の収縮運動を高める作用があります。腸内フローラとは腸管内にお花畑のように腸内細菌が群生している状態を表した言葉で、大腸が腸内細菌の主な活躍の場ですが、小腸にも相当数存在しています。また、小腸に点在するパイエル板というリンパ組織を中心に、免疫細胞の60~70%が集まっています。腸の健康はまさに身体全体の健康の支柱です。
 アトピー性皮膚炎、喘息、その他アレルギー症状や、風邪をひきやすい、疲れやすい等「体質だからしかたない…」と諦めているかたは、腸の異常を特に自覚されていない場合でも、まず、腸の健康の底上げからケアを始めてみましょう。

腸脳相関

 近年、腸と脳の密接なコミュニケーションについての解明がなされ、「腸脳相関」と呼ばれています。腸から発せられる内臓刺激は、ホルモンや免疫系、迷走神経などの感覚神経を通して脳へ伝わります。私たちは身体の司令塔は脳と考えてきましたが、腸から脳への情報伝達経路の重要性が分かってきています。興味深いことに、腸内細菌がこのコミュニケーションの一翼を担っていることが分かってきており、微生物とヒトの細胞のコミュニケーションというSFのような世界が現実のものとなりつつあります。
 腸内細菌の群生はお花畑(フローラ)や叢(くさむら)というよりはむしろ、ジャングルの様相だと研究者は述べておられます。私たち宿主から食物を得るかわりに、ホルモンや消化管ペプチド、神経インパルスなどのシグナル情報を認識して、宿主が受けるストレスなどで腸内環境が悪化しないように、彼らが作り出す代謝物質を調節しています。脳が感じているストレスを軽減させることが難しい場合でも、腸の健康を回復することで脳も健康を回復する可能性も視野に入ってきたのかもしれません。
 
 腸内細菌は必須ビタミンをつくったり、肝臓で生成される胆汁酸を代謝したり、外から入ってきた未知の化学物質(外因性化学物質)を解毒したり、先述した食物繊維や複合糖類を消化するなど、私たちにたくさんの恩恵をもたらしてくれます。腸内細菌と私たちの互恵関係ははるか昔から連綿と続いてきた進化のなかで築かれたものです。便秘や下痢が続いたり、抗生物質の安易な利用、過剰な脂質の摂取、強いストレスが続く状態などは、腸内細菌叢を簡単に破壊してしまいます。加えて、加齢によっても腸内細菌の数と種類が減少するため、私たちは常に宿主として腸で生息する微生物たちを慈しみ育てる目線を忘れないようにしたいものです。

腸内細菌叢は変化するの?

 研究によれば2歳半~3歳頃までに、生涯保たれる腸内細菌叢が形成されます。発酵食品や乳製品、あるいはサプリメントを利用したとしても、細菌叢の種類を劇的に変えることにはなりません。しかし、種類と菌数が十分なプロバイオティクスがサプリメントには存在しています。これを活用することにより、微生物がつくり出す代謝物質を変化させることができます。加齢により腸内細菌の数と種類が減少していくと、悪玉菌が増加しやすい腸内環境となりがちです。年齢によっても種類や菌数の見合った製品をご利用になることをお勧めします。腸内細菌叢はおよそ50万種類の代謝物質を生成し、神経系に影響を及ぼしています。

jastからのご提案

 プロバイオティクスと呼ばれる腸を整えるサプリメントは胃を通過して腸でカプセルが溶け、中身の有用な細菌群が生きたまま腸に届きます。jastでは複数メーカーの製品をご用意しておりますが、ご相談に合わせて最適な製品をご案内します。加齢に伴い食後の胃もたれやガスが溜まるなどのご相談をいただきますが、サプリメントで消化吸収をサポートすることができ、「楽になった!」と実感をもたれるかたが多いです。
 また、加齢に伴い腸内細菌叢の種類と数が減少しますので、シニアのかたは種類と菌数がより充実した製品のご利用をお薦めいたします。