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エビデンスに基づいた健康情報

良質な睡眠をとるコツ

睡眠1ー睡眠と照明
2021-07-31
 jastでは健康に関わるご相談を常時お受けしておりますが、比較的多いのが睡眠に関してです。ぐっすり眠れない、途中で目が覚めてそのあと眠りにつけない、なかなか眠りに入れないなど個人差はありますが、いずれにしても良質な睡眠を望んでいる方の多さは想定以上です。コウモリは一日に約6時間眠るそうで、外敵に襲われずにぐっすり眠るために洞窟生活を選んだのです。数回にわたり、この紙面を借りて睡眠のお話をしたいと思います。

 第1回はコウモリに倣って暗闇を確保することから始めましょう。ベッドに入る時間の前には照明を小さく、あるいは消す作業をしましょう。夜の間に光が脳に当たると睡眠を促すメラトニンと呼ばれるホルモンにどのような影響を及ぼすか調べた研究によれば、中程度の光を夜間1時間浴びただけで、脳内メラトニン量のレベルは日中のレベルまで下がってしまうとのことです。どうしても光がはいりやすい環境であれば、アイマスクを利用するのもよいでしょう。

 眠気を妨げる照明の色ではブルーが最強だそうですので、多用されているパソコンやスマホ、LEDライトなど青い光を大量に放出する製品の利用はご自身の就寝予定時間の数時間前から制限する工夫をするとよいでしょう。どうしてもパソコンなどが必要な場合には画面を暗く調整し、画面から目を30㎝以上離す、青い光を遮るブルーライトカットの眼鏡をかける、そしてそうした装置が無い場合にはブラウン系のサングラスを利用するのも一案です。室内で夜サングラスをかけている様子は見た目にはあまり芳しくありませんが、研究によれば睡眠の質を高め、気分を落ち着かせる効果があるとのことです。私も今夜は茶系サングラスにトライしてみますね。