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身体をつくる栄養素

タンパク質

 タンパク質は古くは蛋白質の蛋が卵、蛋白とは卵白のことです。卵白は水分を除けば、ほぼタンパク質と微量の糖質でできていることが現代の分析法でも分かっているので、往時の知識によるこの命名は正しかったと言えます。タンパク質はアミノ酸からつくられますが、最初はアミノ酸がつながった数珠のような一次構造で、遺伝子を設計図としてつくられます。その後、二次構造を経て、全体が折り畳まれた立体構造となった三次構造で、タンパク質の機能を発揮するようになります。さらに、同じ種類のタンパク質や複数種類のタンパク質が集まった四次構造では、驚くほど高分子のタンパク質も存在します。タンパク質は細胞のほとんどの機能を担っている分子レベルのマシーンと言えます。

 肉や魚、卵などを食べると、そのなかに含まれているタンパク質は消化管を通過する間に様々な消化酵素のはたらきで、最小単位のアミノ酸に分解され、小腸から吸収されます。その後、肝臓へ運ばれ、必要に応じて新たなタンパク質に合成されます。また、筋肉や心臓、腎臓などへは直接運ばれます。
 タンパク質と、糖質や脂質との違いは、タンパク質に窒素(N)が含まれている点です。タンパク質が分解される過程で尿素が生成され、成人では一日約30gが尿で排泄されます。また、尿素は腸内細菌によって分解されてアンモニアが発生します。アンモニアには神経毒性があり、疲労の蓄積や脳障害などの原因になります。この危険なアンモニアを無毒化してくれるのが、肝臓に備えられている尿素回路(オルニチン回路です。

アミノ酸

 自然界でアミノ酸は400種類以上存在していることが知られていますが、私たちの身体はそのうち20種類のアミノ酸を使って必要なタンパク質をつくっています。

【必須アミノ酸】
体内で合成できないアミノ酸は9種類あります。これらのアミノ酸は食事などにより外から摂る必要があります。
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン

【非必須アミノ酸】
体内でつくることができるアミノ酸は11種類です。
グリシン、アラニン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、システィン、チロシン、プロリン

この他にも体内には遊離アミノ酸と呼ばれる約500種のアミノ酸が存在しています。

最も重要な栄養素はタンパク質とアミノ酸です

タンパク質はしっかり摂りましょう

 タンパク質は常に分解と合成を繰り返しています。筋肉や臓器などの古くなった部分は分解され、体外に排泄されて新しいタンパク質によって再生されます。例えば体重60㎏の成人では、一日180gのタンパク質を筋肉などの組織の合成に利用し、同量の180gを分解していると報告されています。合成に利用される180gのうち、100gはアミノ酸プールからの再利用で、残りの80gは食事などから摂ったタンパク質を材料に新たにつくられたタンパク質です。

【アミノ酸プール】
 体内のタンパク質は決まった期間で新しいものに入れ替わります。たとえば赤血球は約120日の寿命を迎えると、肝臓や脾臓などでマクロファージによって壊され、赤血球の中のグロビンタンパクもアミノ酸に分解されて再利用されます。

 一般の細胞ではタンパク質分解系は複数ありますが、その一つがユビキチン・プロテアソーム系です。古くなったタンパク質にユビキチンという小さなタンパク質の印が付けられ、プロテアソームという円筒形の”蓋つきゴミ箱”のなかでアミノ酸に分解されます。こうして分解されたアミノ酸は遊離アミノ酸と呼ばれて血液や各組織に一定量存在しています。細胞内と細胞外液中にあるすべての遊離アミノ酸をアミノ酸プールと呼び、体内でアミノ酸が不足したときに素早くはたらきます。

タンパク質の不足について

 20種類のアミノ酸のうち、いつもどれかが不足した場合、非必須アミノ酸の不足ならば細胞のなかの材料を使って必要なアミノ酸をつくりだしますが、体内でつくることができない必須アミノ酸の不足は、1種類であっても正常なタンパク質がつくれない事態となります。身体のサインとしては風邪をひきやすい、毛髪のパサつき、疲れやすい、爪が割れる、爪が薄くなる、筋力の低下、集中力の低下などが表れます。

食品に含まれるタンパク質はプロティンスコアを参考に

 タンパク質と言ってもお米や豆に含まれるタンパク質と、肉類に含まれるタンパク質では含まれているアミノ酸に違いがあります。栄養学では卵に含まれるタンパク質を基準としてアミノ酸スコアを割り出していますが、アミノ酸スコアは評点が甘く、基準値がたびたび変更される点が問題との指摘があります。

一方、プロティンスコアは食品のタンパク質の一定量がヒトのタンパク質要求量の何パーセントを満たすかを示しています。1911年、アメリカのトーマス博士が行った実験がもとになっており、スコアの基準が変わることはありません。プロティンスコア100は鶏卵だけです。

jastからのご提案

 健康長寿を目指すには筋肉量を減らさないことが大切と言われるようになり、プロティンをご利用になるご高齢のかたも増えております。
 スポーツジムなどで売られているプロティンはホエイを原料としたものが多く、また化学合成されているものも見受けられます。
 jastではエンドウマメや大豆などの植物性原料でつくられたプロティンをお薦めしております。体内のタンパク質は天然のアミノ酸を使ってつくられますので、プロティンをご利用になる場合も天然のL型アミノ酸の製品をご利用ください。
 また、腎機能がご心配なかたにはプロティンのご利用をお控えいただき、jastではアミノ酸をお薦めしております。

ビタミン

 必須ビタミンは13種類で、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大きく分けられます。ビタミンの定義は体内でつくられないことなので、体内で合成できるビタミンDはビタミンに含めないとの意見もあります

【水溶性ビタミン】
尿などに排出されやすく、体内にためておくことができません。必要な量を毎日摂ることが大切です。
ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの9種類です

【脂溶性ビタミン】
油とともに摂取すると吸収率が上がります。
排出されにくく、摂りすぎると過剰症になる恐れがあります。
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類です。

ミネラル

必要な量は少ないのですが、ヒトの体内でつくることができないため食べ物から摂る必要があります。およそ100種類の元素のうちヒトの体内に存在し、栄養素として欠かせないことがわかっているミネラルとして現在16種類が知られています。
ナトリウム、マグネシウム、リン、イオウ、塩素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素です。
このうち厚生労働省が摂取規準を決めているのはイオウ、塩素、コバルトを除く13種類(必須ミネラル)です。

ビタミンとミネラルは一緒にはたらく

お互いのはたらきを助ける例

  • マグネシウムは細胞内に主に存在するカリウムと細胞外に存在するナトリウムのバランスをとります。
  • ビタミンCは鉄の吸収を助けます。
  • ビタミンDはカルシウムの吸収と運搬を助けています。
  • ビタミンB6が活性型になるにはビタミンB2が必要です。

酵素のはたらきを助ける

酵素はビタミンとミネラルが補酵素として加わることではたらけます。

jastからのご提案

 サプリメントでビタミンCやカルシウムなど一つの栄養素だけをご利用になるかたがおられますが、上記のようにビタミンとミネラルは複合的に働くため、何か一つだけを補給するよりもマルチビタミン・ミネラルの複合体でおとりになることをお薦めします。jastでは複数メーカーの製品をご用意しており、その中からお客様に合った最適な製品をお薦めいたします。